アメリカの学校で行われている「i-Ready」ってご存じですか?
子供の通うアメリカの学校では、新学期が始まるとすぐに「i-Ready」のテストの案内があります。
「i-Ready」って何ぞやという方向けに、この記事でアメリカの学校で実施されている「i-Ready」についてまとめてみました。
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アメリカのテスト「i-Ready」って、一体なに?
Curriculum Associatesによって、2011年から提供されている「i-Ready」。
「i-Ready Diagnostic(診断テスト)」と「i-Ready Personalized Instruction(オンライン個別指導プログラム)」を組み合わせたものとして考案されました。
K-12(キンダーから高校生)までの生徒を対象にしたテストで、教科はMath(数学)とReading(読解)になります。
先生が各生徒のレベルを把握し、最適な指導ができるように開発されており、このプログラムを取り入れているアメリカの学校が多いそう。
全米で1,000万人以上の生徒が「i-Ready Personalized Instruction」を利用しているそうです。
参照:Common Questions and Concerns about i-Ready (curriculumassociates.com)
アメリカの「i-Ready」は、どんなテストなの?
「i-ReadyのAssesment(アセスメント)やりますよ~」というような案内がきたら、診断テストをやるということなんですが…
ここからは、「i-Ready」は、どんなテストなのかチェックしていきましょう!
「i-Ready」には、どんな問題がでるの?
Curriculum Associates社のサイトによると、以下のエリアに関する問題が出題されるそう。
Math (数学)の場合
- Number and Operations 数と演算
- Algebra and Algebraic Thinking 代数と代数的思考
- Measurement and Data 測定とデータ
- Geometry 幾何学
Math (数学)の場合
- Phonological Awareness 音韻認識
- Phonics フォニックス
- High-Frequency Words 高頻出単語
- Vocabulary 語彙
- Comprehension: Literature 読解(文学)
- Comprehension: Informational Text 読解(説明的な文章)
うーん、イマイチよくわかりませんね…。
各学年ごとに、サンプル問題を掲載しているサイトが沢山あります。
例えば、会員制の各種テスト対策サイトTesting mom.comには、各学年ごとのサンプル問題が掲載されています。
気になる方は、↑を覗いてみてくださいね。
参照:i-Ready Central Resources | Family Center – FAQs
「i-Ready」は、難しいテストなの?
「i-Ready」は、適応型のテストとも呼ばれるアダプティブテスト。
各生徒に合わせて問題が調整されていくのが特徴だそう。
まず学年レベルの難易度の問題からスタートし、テストの難易度を上下させつつ、生徒にマッチする難易度を判定していくそうです。
要するに、正解が続くと少しレベルの高い問題が出題され、不正解が続いた場合は少しレベルを下げた問題が出されるというような仕組みになります。
.The i-Ready Diagnostic gets harder until a student answers an item incorrectly and then narrows in on exactly where a student needs support.
引用元:Common Questions and Concerns about i-Ready (curriculumassociates.com)
テストは生徒が不正解が続くまで難しくなっていき、生徒がサポートが必要とされるレベルまで正確に絞り込んでいくそうです。
いつ「i-Ready」のテストをするの?
以前に通っていた学校は、夏休み明けの9月に1回だけ、現在子供が通っているアメリカの小学校では、年に3回テストを行っています。
学区や地域によって、i-Readyの取り入れ方は違いがあるようです。
現在、子供が通っているアメリカの小学校では夏休み明けに1回目のテストを行い、生徒の現時点のレベルを把握し、指導の道筋を立てます。
その後、各生徒の習得状況を確認するため、11月から12月くらいに2回目のテスト、学期末に3回目のテストが行われています。
ちなみにTesting mom.comによると、全国的に以下の時期に行われることが多いそうです。
- Fall – beginning of school year to November 15
- Winter – between November 16 and March 1
- Spring – March 2 to end of school year
「i-Ready」のテストは、教室でパソコンを使ってやってるよ~。
アメリカの「i-Ready」のテストの結果は貰えるの?
前の学校でも現在の学校でも、テストのスコアは保護者に共有されています。
特に夏休み明けに行われたテストの結果は、秋に行われる保護者面談で渡され、先生よりフィードバックがありました。
冬と春のテストスコアも、保護者にPDFなどで共有されます。
ちなみに、「i-Ready」のテストは、最後まで終わるとスコアが表示されるそうです。
高学年にもなると、スコアを覚えて帰ってきて、「今回は〇〇〇だったよ!」と教えてくれたりします。
仲の良い子同士で、スコアを教えあったりもしているそうです。
アメリカのテスト「i-Ready」のスコアの見方
「i-Ready」のテスト結果は、保護者にも教えてもらえるのですが、一体どんなことが書かれているのでしょう?
スコアの見方についてまとめてみました。
「i-Ready」テストスコアからわかること
「i-Ready」のテストスコアでは、上の画像のように3つのことが分かります。
まず重要なのは、Scale Scoreで、100-800までの数値でスコアが書かれています。
このScale Scoreと関係するのが、National Norms。
National Normsは、同じ時期に同じテストを受けた全米の同学年の生徒のなかで、どのくらいの位置にいるかを示す数値です。
例えば、パーセンタイルが90の場合、全米の同学年の生徒の上位10%の成績だったと知ることができます。
Scale ScoreとNational Norms(テストスコアとパーセンタイル)を分かりやすい表が掲載されているサイトがあるので、詳細を詳しく確認することができます。
↓こちらです。
子供の学年とテストを受ける時期(秋、冬、春)によって、スコア表の見方が変わります。
例えば、Grade4の秋に受けたMathのスコアの意味を確認したい場合、Fall i-Ready Diagnostic for Math Percentile to Overall Score Conversionという表のGrade4の列のScale Scoreを確認します。
他にもPlacement で、現在の学力が学年レベルに達しているかどうかがわかります。
Placementは、以下の4つのレベルに分けられています。
- Above Grade Level
- At Grade Level
- Approaching Grade Level
- Needs Improvement
学年よりも上のレベルなのか、学年相応のレベルなのか、学年相応に近いレベルなのか、それとも学年レベルになるには改善が必要なのか、現地点でのレベルが記載されています。
「i-Ready」は、Lexileレベルの判定もしてくれる
「i-Ready」のReadingテストを受けると、テスト結果に現状のLexileレベルも判定してくれます。
Lexileは、リーディングレベルの1つで、子供が1人で本を読む能力がどれだけあるかをレベル化したものです。
リーディングレベルについては、以下の記事にまとめているので、興味のある方は読んでみてくださいね。
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まとめ
この記事では、アメリカの小学校で行われている「i-Ready」についてまとめてきました。
アメリカに来たばかりの頃は、子供も私も良くわかっていなかったテストですが、今では「i-Ready」のスコアは、現在の学力や子供の成長を知る良い指標になっています。
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