アメリカの小学校の国語の授業では、どんなことを学んでいるのでしょう?
この記事では、アメリカ現地校に通っている子供の経験談をもとに、アメリカの国語の授業について紹介します。
また4th grade (小学4年生)の国語で習ったこともシェアしていきます。
アメリカの国語の授業では、どんなことを習うの?
アメリカでは、国語のことを「English Language Arts(略してELA)」 と呼んでいます。
English Language Development(略してELD)と呼ぶ先生も。
アメリカにはCommon Core State Standards(コモンコアステートスタンダード、略してコモンコア)という幼稚園児から高校生までの各学年の生徒が何を学ぶべきかを定めた基準が存在します。
コモンコアによると、English Language Artsの場合、大きく分けて以下の4つの枠に分けられています。
- Reading
- Writing
- Speaking&Listening
- Language
特にReadingとWritingの基準が細かく定められていて、実際の授業でもReadingとWritingの授業を中心に進められています。
さらに、文法や語彙など学習するLanguageの授業も!
アメリカの小学4年生が学んだ国語の内容をまとめてみた
では、実際にどんなことを学んでいるのか、我が子がアメリカの4th Gradeで学んだ国語の内容の一部をご紹介していきます。
今回は、Language・Reading・Writingの3つの分野で学んだことをシェアしていきます。
①Languageで学ぶこと
文法や語彙など学びますが、Languageで学習することは、ReadingやWritingにつながることばかりです。
例えば、Readingのときに、知らない単語を推測するのに役立つのが「Greek and Latin roots(ラテン語やギリシャ語が語源の言葉)」。
「auto」というself、sameなどの意味があるギリシャ語が語源の言葉を知ると…、
autobiographyという言葉は、biography(伝記)にautoが付くので、自分が書いた伝記のことかなと考えることができます。
単語の意味を理解する手がかりになりますよね。
また、文頭や固有名詞の大文字化、クエスチョンマークのつけ方なども、低学年の頃から繰り返し学んでいるのですが、このようなルールもライティングするうえで重要なベースになってきます。
4th gradeのLanguageで学んだことの一部を紹介します。
4th gradeで学んだ一例
- Common and proper nouns 普通名詞と固有名詞
- Singular and plural nouns. 単数形名詞と複数形名詞
- Possessive nouns 所有格の名詞
- Homophones 同音異義語
- Greek and Latin roots ラテン語やギリシャ語が語源の言葉
- Identifying and using personification. 擬人化の識別・活用
4th gradeにもなると、専門用語が増えてきて、「これは何?」な言葉が多くなってきます。
なので、こちらの本↓を参考書代わりに使っています。
②Readingで学ぶこと
Readingの授業では、様々なタイプの文章を読み、分析していきます。
読み解く文章は、主にLiteratureとInformational text の2つの分野に分かれます。
日本語でいうと、文学的な文章と情報的な文章という感じです。
アメリカの小学校で学力測定のために行われるState Testやi-readyのテストも、LiteratureとInformational textの読解問題が出題されています。
4th GadeのLiterature学習の際は…
誰の視点で物語が書かれているか (point of view)を意識して読み進める練習をしたり、物語の構造(いわゆる「導入」「展開」「山場」「終結」のようなもの)を学習したりしました。
自分の好きな本の物語の構造を分析したりしたよ!
Readingの授業では、ScienceやSocial Studiesで習っているトピックを題材とすることも多々あります。
例えば、Social Studiesでネイティブアメリカンについて学習した際は、ネイティブアメリカンの神話を読み、物語が伝えたい「教訓」について考えたりしたそう。
また、Informational text (情報的な文章)では、main idea(主題)とkey detail、著者が自分の主張を支えるために証拠や根拠をどのように用いてるかなどを学習しました。
③Wrtingで学ぶこと
4th gradeでは、文章を読んで、自分の意見を文章にする際に役立つRACES Strategyを教わりました。
RACESとは、以下の頭文字をとって呼ばれています。
- Restate the question(質問を再述する)
- Answer the question(質問に答える)
- Cite evidence from the text(本文から証拠を引用する)
- Explain how the evidence proves your answer(引用した証拠がどう答えをサポートするか)
- Summarize(要約する)
例えば、「休日に宿題を出すメリット」についての記事と、「休日に宿題を出すデメリット」についての記事を読みます。
その後、休日に宿題を出すことについて、自分の意見を文章にしていきます。
自分の主張を支えるために、元の記事から証拠を引用して、意見をまとめていきます。
子の場合、RACESに沿って、文章を書くと…
R=Kids should have homework over breaks?
A=I think Kids should not have homework over breaks.
C=Based on what I read, some teachers say breaks are time to play outside and go to museums and concerts.
E=This is important because teachers want students to use their breaks to pursue interests outside the classroom.
S=As you can see, Kids should not have homework over breaks.
このように文章を書く練習を色々なテーマで実践していきます。
他には、以下のようなライティングを行いました。
- 詩や神話
- スクールランチに出すべき料理についての意見書
- 求人申込書
- Scienceで学習しているトピックに関するリサーチペーパー
- 歴史上の人物に関する伝記
高学年になるほど、ライティングで求められる量も増え、内容も難しくなっています…。
ちなみに我が子のクラスは、ライティングを提出するのはグーグルドキュメントで。
まずノートに下書きをしてから、グーグルドキュメントでタイピングして、先生に提出してたよ。
まとめ
この記事では、アメリカの国語の授業について紹介してきました。
4th Gradeになってから、ELAの難しさがぐっと上がった気がします。
現在、子供は5th Gradeで小学校最終学年ですが、ミドルスクールに向けて、お勉強感が更に加速しています。
日本では「小4の壁」という言葉がありますが、アメリカにも存在するのかも…?