アメリカでは新学期が始まると、現地校からGATE ProgramやG&T、TAG Programのお知らせなどが届きませんか?
GATE ProgramのGATEは「Gifted and Talented Education」の略。
G&Tも「Gifted and Talented」、TAGは「Talented and Gifted」を省略した言葉なんですが…。
ギフテッド(Gifted)とタレンテッド(Talented)って何か違うの?
と、疑問に思っていました。
ギフテッドのイメージは何となく掴めるんですが、タレンテッドはどんな子供を指すのでしょう?
そんな疑問に答えるべく、この記事ではアメリカの小学校においてのギフテッドとタレンテッドについて解説していきます。
またギフテッドとタレンテッドの認定されるまでのステップも子供の学区のケースを参考にまとめてみました。
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アメリカの小学校のギフテッドとタレンテッドの定義は州によって違う
現在、多くのギフテッドプログラムは各州や学区の裁量で行われているようです。
そのため、GATE ProgramやTAG Programプログラムに参加できるギフテッドもしくはタレンテッドと判断される基準も、住んでいる州や学区などによって異なります。
同時にギフテッドもしくはタレンテッドの定義も各州によって異なるようです。
全米小児ギフティッド協会(National Association for Gifted Children:NAGC)にアメリカ各州におけるギフテッドもしくはタレンテッドの定義の一覧表(STATE DEFINITONS OF GIFTEDNESS)が掲載されていました。
ギフテッドとタレンテッドの定義は州によって異なるので、一覧表を参考に大まかに4つのタイプに分けてみました。
- ギフテッドとタレンテッドを別々に定義している
- ギフテッドのみを定義している
- ギフテッドという言葉をあえて使っていない
- ギフテッドとタレンテッドを一つの形で定義している
①ギフテッドとタレンテッドを別々に定義
なんと、ギフテッドとタレンテッドを別々に定義していたのはルイジアナ州だけのようです。(見落としていたらごめんなさい…)
ギフテッドが学術面での高い才能を持つ子、タレンテッドは芸術面での才能が突出している子と解釈できますね。
②ギフテッドのみを定義している
ギフテッドのみを定義している州もありました。
アブラハム州、アリゾナ州、フロリダ州、ジョージア州、カンザス州、ミゾーリ州、ニューメキシコ州、ニューヨーク州、ノースカロライナ州、ノースダコタ州、オハイオ州、ペンンシルベニア州、バージニア州なども同様です。
③ギフテッドという言葉をあえて使っていない
ギフテッドという言葉をあえて使っていない州もいくつかありました。
ワシントン州は、“Highly capable student”という言葉を使っていますし、ネブラスカ州では”“Learner with high ability” と表現されています。インディアナ州もギフテッドという言葉がでてきません。
マサチューセッツ州とニューハンプシャー州、サウスダコタ州においては、ギフテッド自体の定義がされていないようです。
④ギフテッドとタレンテッドを一つの形で定義(一番多いケース)
一番多かったケースが、ギフテッドとタレンテッドを一つの形で定義している州です。
”Gifted and talented children”という形で表現されている州が多いようです。この事例から考えると、アメリカの学校では、ギフテッドとタレンテッドは併用の意味で使われている場合も多いと考えてよいのではないでしょうか?
ギフテッドとタレンテッドの定義は学区によっても異なる(子供の学区の場合)
GATE ProgramやTAG Programプログラムは、州や各学区の裁量で行われているため、タレンテッドの定義は学区によっても異なります。
私の住んでいる州では、「ギフテッドとタレンテッドを一つの形で定義」しています。
けれど、学区によるギフテッドプログラムに対象となる子は「Intellectually Gifted」と「Academically Talented」に認定された生徒になります。
intellectually Gifted、Academically talentedの違いは、選考方法から見えてきます。
ギフテッド選考を受ける基準
- Intellectually Giftedは、CogAtなどのGTテスト(Gifted Test)で全体の上位3%以内の成績だった子
- Academically Talentedは、「州統一テスト」で全体の上位3%以内の成績だった子
GTテスト、州統一テストの両方とも上位の成績で、ギフテッド選考に通った場合、Intellectually Giftedであり、Academically Talentedでもあると認定されます。
ルイジアナ州とはタレンテッドの捉え方が大きく異なりますね。
ギフテッドとタレンテッドの認定方法とは?
では、アメリカの小学校でのギフテッドとタレンテッドはどのように認定されるのでしょう?
住んでいる州や学区などによって違いはありますが、参考までに我が子の学区の例を紹介します。
- ギフテッド選考を受けるための自薦・他薦
- GT Testを受ける
- 親のインタビュー、先生からの評価など元に総合的に判断
①ギフテッド選考を受けるための自薦・他薦
ギフテッドの子供には、ギフテッドかもしれないと周囲の大人が気付く何かしらの兆候や行動などが見られることが多いそうです。
そこで、新学期が始まると、毎年ギフテッド選考のお知らせがあり、保護者が自分の子供を推薦したり、担任の先生がギフテッド選考を保護者に薦めてくる場合もあります。
自薦の場合、我が子の学校ではギフテッドの特徴にあてはまるかどうかのチェックリストを提出しなければなりません。
②GT Testを受ける
自薦・他薦された子供たちは、GT Test(Gifted testing)と呼ばれる ギフテッド判定に使うテストを受けます。
テストでギフテッドかどうか判断することに賛否はあるようですが、子供の能力を測る1つの目安として、子供の認知能力などを図るGT Testが採用されている場合が多いそうです。
子供の学校では、学区(ディストリクト)に所属する2nd Gradeの生徒全員がCogAtと呼ばれるGTテストを一斉に受けることになっています。
費用などはかかりませんでした。
子の学区の場合は、CogATの結果が97以上(全体の上位3%以内)をマークした場合、さらにギフテッド選考に進みます。
ギフテッド判定の手段の一つとして最も採用されているテストの1つである「CogAt」については、別記事で詳しく解説しています。
③親のインタビュー、先生からの評価を元に総合的に判断
これまでの成績や他のテストの結果や、親へのインタビュー(もしくは調査票)、先生による評価などの情報を参考に総合的に判断されるようです。
ギフテッドの特徴に当てはまるものがあるかどうかのチェックリストを記入しなければいけなかったほか、これまでの子供の工作や絵などアート作品の提出も求められます。
調査票はギフテッドの特徴に当てはまると思う具体的なエピソード、子供の強みや弱み、感情面の特徴、好みの学習スタイルなど30近い質問事項を詳細に記入しなければいけなかったので、作成するのに大分時間がかかるものです。
CogATテストの結果をいただいたあと、最終的にギフテッドと認定され、GATEプログラム対象者になるまでには約4~5か月近くかかりました。
まとめ
最近は、日本でも使われることが増えてきたギフテッド、タレンテッドについてまとめてきましたが…、
アメリカの小学校におけるギフテッド、タレンテッドは、州によって大きく違っていましたね。
お住まいの学区の定義と自分がイメージするギフテッド、タレンテッドは異なる可能性があります。各学区のGifted and Talented Education Programに関するHPをチェックしてみてくださいね。